想いOur Team

ゼロからの出発、そして世界へ

当センターは2001年4月に当院開院と共に発足し、今年で20年目を迎えます。わずか十数名で立ち上げた当センターは、現在60名以上の医局員が籍を置く国内有数の消化器センターに成長しました。

この20年の間、軸保持短縮法による内視鏡挿入、陥凹型大腸癌の解明、拡大内視鏡によるpit pattern診断、超拡大内視鏡によるEC診断など、多くの知見を世界に発信してきました。中でも最近は大腸内視鏡診断支援AI「EndoBRAIN ®」シリーズの開発と実用化に力を入れております。大腸癌死亡率の引き下げにつながるこの画期的なシステムの開発は、まさに困難の連続でした。それでも医局員一丸となり、国内初の医療用AIとして2018年12月にシリーズ第一弾が薬事承認を取得、2019年3月に発売されるに至りました。これらの研究成果についてはAnnals of Internal Medicine誌やGastroenterology誌に掲載され、世界的に大きな反響を呼びました。医局を挙げて進めて来た大腸病変診断はここに大きな結実のときを迎えていますが、今後も慢心することなく新たな研究課題に向き合っていきます。

画像提供:サイバネットシステム株式会社

また当センターは全国でも有数のハイボリュームセンターです。特に下部内視鏡検査は例年7000件以上、大腸手術は250件以上を施行しています。この症例数の多さは、医局員の豊富な経験と高い技術があってなせるものだと考えています。消化器内科と消化器外科が共に力を合わせて治療に当たる消化器センターとして、これからも着実に地域医療に貢献していきたいと思っています。

さらに国際関係です。2021年、当センターはWEO(世界消化器内視鏡学会)のCenters of Excellence(優秀施設)の認定をさらに5年間更新することとなりました。この認定を受けている施設は世界で21施設、日本ではわずか2施設で、内視鏡診断・治療のクオリティに加え、専門知識豊富なスタッフ、国際的な消化器内視鏡教育への貢献度などにおいて優れている少数の施設に付与されるものです。また当センターは国際消化器内視鏡研修センターとして、多くの海外ドクターを受け入れています。2019年は12か国17名のドクターを受け入れました。海外のドクターと臨床面・研究面でディスカッションを行い、国による医療環境の違いを知ることは、医局員にとって大きな刺激となっています。

最後に、我々はゼロから出発し、今日まで多くのものを築き上げてきました。これからも、当センターを日頃から支えて頂いている皆様への感謝の念を胸に刻み、引き続き努力していく所存です。

2019年10月工藤 進英

PageTop