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日本医療研究開発機構研究費(AMED)8K等高精細映像データ利活用研究事業「人工知能とデータ大循環によって実現する、
大腸内視鏡診療の革新的転換」(主任研究者:工藤 進英)

三澤 将史 / 工藤 進英

平成29年度からの3年間、AMEDからの支援を受けてスタートした本研究は、医工産官連携という理想的なスクラムを組んで実現いたしました。私は、研究代表者の工藤センター長をサポートする立場として、研究事務局を森悠一講師とともに務める機会を頂いてきました。下記はその概要です。

日本医療研究開発機構研究費(AMED)8K等高精細映像データ利活用研究事業

  • 研究課題名人工知能とデータ大循環によって実現する、大腸内視鏡診療の革新的転換
  • 主任研究者昭和大学横浜市北部病院消化器センター 工藤 進英
  • 事務局担当昭和大学横浜市北部病院消化器センター 森 悠一・三澤 将史
  • 期間2017年度 ~ 2019年度
  • 研究費令和元年度:89,000,000円
  • 研究分担施設(臨床)国立がん研究センター中央病院、静岡県立静岡がんセンター、東京医科歯科大学、がん研究会有明病院、大腸肛門病センター高野病院、虎の門病院、NTTビズリンク社
  • 研究分担施設(人工知能アルゴリズム開発)名古屋大学
  • 研究分担施設(機械学習用ネットワーク構築)オリンパス株式会社
  • 研究分担施設(ソフトウェア製造・薬機法承認申請)サイバネットシステム株式会社

本研究では平成28~30年度に実施したAMED医療機器開発推進研究事業の研究課題をさらに発展させ、病変の検出、発見した病変のより詳細な診断、診断に基づく最適な治療法提案、さらには早期癌切除後のマネージメントまでを総括的に支援する人工知能(AI)を開発するという野心的なプロジェクトです。国際的に競争力のあるAIを構築するためには大量の良質な教師データが必要です。本研究ではこの教師データを専用の学術ネットワーク回線を使用し、名古屋大学情報基盤センターに直接送信するという前例のないインフラを構築しました。加えて学習画像は国内でもトップクラスの内視鏡施設から集めることができました。本研究期間内に、事前の予定をかなり前倒しして、2種類のAIソフトウェアが完成、薬機法承認申請にこぎつけることができました。特に大腸病変を自動検出するAIはEndoBRAIN-EYEとして2020年1月24日に薬機法承認を取得いたしました。癌の深達度診断を支援するAIに関しては、EndoBRAIN-Plusとして2020年7月16日に同じく薬機法承認を取得しております。これを受けて最終年度の事後評価においても10点満点中8.8点とAMEDより評価いただき、国際的に極めて競争力のある成果であると判断されております。本AMED研究は2019年度をもって終了しておりますが、AI研究については立ち止まることなく、AIの強化、国際展開に向けて一層邁進してまいります。

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