研究Front Line

最先端の臨床研究

大腸粘膜下層剥離術における穿孔予防のため
人工知能による危険認識システムの構築

2020年度文科省科研費・若手研究獲得のご報告
林武雅

2020年度(令和2年度)採択「大腸粘膜下層剥離術における穿孔予防のため人工知能による危険認識システムの構築」

  • 若手研究(B)消化器内科学
  • 研究機関昭和大学
  • 研究代表者林 武雅、昭和大学、医学部、講師(70384617)
  • 研究期間2020-04-01 – 2023-03-31(予定)
  • 配分総額4,290,000円

2020年度から競争的研究費である文科省科研費・若手研究に採択され、主任研究者として研究を実施していくことになりましたことをご報告申し上げます。文科省科研費は最も厳正な審査基準を持つことで有名であります。約10ページにわたる申請書は、第三者の科学研究者により厳正な査読がなされ、採択率約30%の狭き門を潜り抜けたもののみようやく獲得ができるものです。今回私のテーマは内視鏡と人工知能(AI)を組みわせた研究です。恥ずかしながら私は、既に当院にて内視鏡とAIで採択された実施計画書を3個ほど読み、作成しました。2019年度の申請では不採択でした。研究推進統括課に不採択であった計画書をブラッシュアップする企画があり提出しました。修正点は2年計画を3年計画へ変更することとAIシステム作成の企業委託費の支出増額と、備品・旅費・人件費の削減が修正点でした。2020年度も計画書のメインの部分はほとんどそのままに疑問を持ちつつブラッシュアップで指摘されたことを修正したところ採択されました。矛盾のない研究計画とAIと内視鏡がわからない人でも想像・理解できる文章が重要なようです。

肝心の研究内容ですが、AI技術であるディープラーニングによる内視鏡自動診断です。大腸内視鏡的粘膜下層剥離術中に筋層に処置具が接触している消化管穿孔のリスクがあるような状況を、今まで録画してきた過去の動画をAIに学習させ、AIが実際の治療中に穿孔のリスクがある状況時、内視鏡画面上に警告を表示するといったシステムを構築することを目的としています。現在名古屋大学と共同で研究を進めており、試作のシステムの精度評価をすでに行い奥村先生にUEGWで既に発表していただきました。今後とも医局の先生方や、ご支援いただいている方々の協力のもと研究を進めて参りたいと思っております。

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