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臨床研究内容

AIによる早期大腸癌の転移予測

早期大腸癌は腸管外へのリンパ節転移を来すことがあり、そのリスクは10%である。“早期大腸癌を内視鏡的切除で終えるか、追加外科手術をするか”、精度の高い明確なリンパ節転移予測ツールはなく多くのケースで追加腸切除されているのが現状である。転移リスクのある患者を経過観察で良しとするのは難しく、再発のリスクを考えるとより根治性の高い外科手術を選択しその心配から解放されたいと考えるのは当然の心情である。一方で本邦の外科手術成績は良好であるものの周術期死亡率は1%程度であり、また縫合不全などの合併症も一定の頻度で発生する。高齢者では外科手術を契機にQOLが低下することもあり得ること等から、できるだけ不要な外科手術は避けるべきである。
転移リスクがあるから全て外科手術というのは無責任であり、我々には転移リスクを正確に予測し、真に外科手術が必要な患者を絞り込み過不足ない治療を提供する義務がある。その達成を目指すべくAIに着目し、AIによる転移予測の研究に着手している。単施設のデータは既に集積され、現在多施設での研究が進行中である。
転移リスク予測には、上記のほか予測因子である病理診断の均てん化などまだまだ解決すべき問題は山積している。一定の時間を要するがこれらを一つ一つ解決し、精度の高い診断/予測システムを構築していくことが、大腸癌死亡率低下に直結すると考える。

(一政 克朗)