研究Front Line

最先端の臨床研究

大腸腫瘍NBI拡大観察とAI比較

中村 大樹

2014年本邦の有力施設を中心とした研究グループであるJ-NET : The Japan NBI Expert Teamより大腸NBI拡大分類であるJNET分類が提唱され、一般臨床で広く定着したと思われる。

ただしこの所見分類はexpertと名のつくように血管とsurface patternを総合的に診断するため初学者向きの分類ではない。そこで、我々は非拡大と通常拡大でのAIを用いた自動診断システムの開発をすすめている。今までもコンピューターを用いた様々な自動診断が試みられていたが、いずれもリアルタイムではなく後方的に診断範囲を手動で指定するようなシステムであった。我々のシステムはdeep learningを用いた高度な病変認識能を利用し、自動的に病変の場所を指定するため、この弱点を克服し検査中にスムーズに予想診断を表示するツールである。

現在の診断能は初学者の診断能力を優位に上回って良好な成績を記録している。もちろん熟達した専門医の診断をもって最終的な判断をなされるべきであるが、そのような環境のない施設や初学者のアシストとして非常に将来性が期待されるシステムであると考える。

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