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臨床研究内容

Endocytoscopyと組織診断(EC3a)

我々はEC分類を提唱しているが、EC3aに関しては、腺腫からMP癌と幅広く存在するため、治療方針を決める上でSM軽度浸潤とSM高度浸潤の線引きとなる指標が必要であると考えた。
2005年5月~2018年8月にEndocytoscopyによるEC診断が可能であった病変のうち、EC分類のEC2またはEC3と診断された866病変についてretrospectiveに解析した。まずEC3a所見におけるSM高度浸潤以深の指標となるEC所見因子の有無について検討した。SM高度浸潤以深の指標となるEC所見因子は①腺腔の分岐、②腺腔の開大または不整、③腺腔の不明瞭化、④核の高度腫大、⑤核の重層化、⑥血管の著明な拡張、⑦血管の著明な蛇行、⑧微細顆粒構造と仮定し、この8因子に関して多変量解析を行ったところ、腺腔の不明瞭化、核の高度腫大、核の重層化において、有意差を認めたため、④核の高度腫大、⑤核の重層化の2つの所見をSM高度浸潤以深の指標と考えた。(③腺腔の不明瞭化はEC3bの所見であるため、本検討から除外した。)ここで核の高度腫大ならびに核の重層化の2因子いずれも存在しないものをEC3a low grade(写真1)、2因子のいずれかでも存在するものをEC 3a high grade(写真2)と亜分類を行い、EC3a亜分類の診断精度を検討した。次にEC分類で、EC2またはEC3と診断された病変のEC画像を用いて、さらに、SM massive癌に対するEC分類の診断精度もJNET分類・pit pattern分類と比較した。
EC3a亜分類の診断精度は、感度89.3%、特異度91.2%、正診率90.6%(p < 0.01)と良好な結果が得られた。またEC分類とJNET分類、Pit patternそれぞれと比較し、いずれにおいても、感度、陰性的中率、正診率において有意に高い結果が得られた。今後は症例数を増やして更なる検討を行っていく。

(峯岸 洋介、工藤 豊樹)

図1 EC分類

図2 EC3aの画像とシェーマ

図3 EC3a(亜分類)の診断精度

図4 内視鏡医間の一致率