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臨床研究内容

大腸腫瘍NBI拡大観察の現状と今後の展望

2014年本邦の有力施設を中心とした研究グループであるJ-NET : The Japan NBI Expert Teamより大腸NBI拡大分類であるJNET分類が提唱された。現在は国内ではSSLなどの所見の微調整を行う程度で大枠としては一般臨床で広く定着したと思われる。また海外教育としてもweb上で閲覧できるビデオ教材なども準備され、JNET分類の教育と啓蒙を行っている。
また2019年末クリスタルバイオレットの使用による発がんの可能性が問題となり、日本内視鏡学会より「患者(被験者)の利益が不利益をうわまわると判断される場合にのみ、施行医および施設の責任のもと、必要最小量の使用にとどめることが望ましい。」との提言がなされた。色素拡大内視鏡を用いるPit pattern診断は大腸腫瘍の質的診断のgold standardであることは変わりがないが、染色する病変の適応は慎重な判断が要求されるようになってきている。このような背景から染色の必要がないNBI拡大観察はより重要性を高めているのではないかと考える。クリスタルバイオレット下拡大内視鏡観察に比較してNBI拡大観察は診断能がやや劣るものの、染色すべき病変を絞り込むために詳細なNBI拡大観察を行い、不要な染色は避けるべきであろうと思われる。

(中村 大樹)