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臨床研究内容

大腸T1癌における再発リスク因子の検討

現在の大腸癌治療ガイドラインでは内視鏡切除後の大腸T1癌に対し、追加外科的切除を要するか否かは、同時性リンパ節転移リスク因子の有無で判断されている。これまで、再発率の観点からの治療法選択の検討は少なく、また再発のリスク因子に関しても未だ明らかではない。大腸T1癌における治療法別(内視鏡治療vs.外科的治療)の再発率および、再発のリスク因子を検討しInternational journal of colorectal cancerに論文投稿した。
論文内容は、T1癌症例全体では、内視鏡切除、直腸、Por/Mucが再発のリスク因子であり、内視鏡治療単独の場合には、再発率は1.3%で、陥凹型、女性、リンパ管侵襲、Por/Mucが再発のリスクであり、一方、外科切除した場合には再発率は0.9%で、Por/Mucが再発のリスク因子であった。この結果より、リンパ管侵襲陽性の症例は同時性リンパ節転移のリスクでもあり外科的切除を要する、陥凹型および女性は内視鏡治療単独では、より厳重なフォローアップを要する、直腸およびPor/Muc症例に関しては外科的切除後でも厳重なフォローアップを要すると考察した。
現在、2020年3月までに切除、フォローアップされた1,317例の大腸T1癌における再発のリスク因子を検討している。今後も、大腸T1癌の真の悪性度とは何かに迫るべく、さらなる検討を進めていきたい。

(神山 勇太)