研究Front Line

最先端の臨床研究

大腸T1癌における再発リスク因子の検討

神山 勇太/宮地 英行/一政 克朗/松平 真悟

現在の大腸癌治療ガイドラインでは内視鏡切除後の大腸T1癌に対し、追加外科的切除を要するか否かは、同時性リンパ節転移リスク因子の有無で判断されている。これまで、再発率の観点からの治療法選択の検討は少なく、また再発のリスク因子に関しても未だ明らかではない。930例の大腸T1癌における治療法別(内視鏡治療vs.外科的治療)の再発率および、再発のリスク因子を検討し2018年にInternational journal of colorectal cancerに論文投稿した。

現在、症例を更に蓄積し、約1300例の大腸T1癌における再発のリスク因子を検討している。直腸、リンパ管侵襲を有する症例では特に再発リスクが高く、注意深いフォローが必要である。リンパ節転移のリスク因子を有する症例では、外科的切除により再発のリスクを減じることができるという結果が得られた。

今後も、大腸T1癌の真の悪性度とは何かに迫るべく、さらなる検討を進めていきたい。

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