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臨床研究内容

Dysplasiaを伴うSSLのEndocytoscopy診断についての検討

大腸鋸歯状病変は,過形成ポリープ(HP),traditional serrated adenoma(TSA),sessile serrated lesion(SSL)に分類される。近年の大腸癌の遺伝子解析から鋸歯状病変由来の癌化症例が最大で20~30%との報告もあり,SSLやTSAはmalignant potentialを有する病変として臨床的にも無視できない存在である.
大腸鋸歯状腫瘍、特にSSLの内視鏡診断については,拡大観察(色素・IEE)・超拡大観察(Endocytoscopy:EC)の有用性が報告されているが、症例数が少ないこともあり,SSLに合併したcytological dysplasiaや癌など、SSL関連腫瘍に対する内視鏡診断能はまだまだ十分とは言えない. 2010年1月から2019年12月までに当院でEC観察後に切除されたSSL 174病変, SSL+CD 15病変, SSL+Ca 3病変(SM1/SM2=1/2)を対象に内視鏡所見について検討を行った。 内視鏡所見として、SSL+CDでは病変内に発赤(9/15, 60%)や辺縁隆起(10/15, 67%)を認めた。SSL+Caでは全例に陥凹形成(3/3)を認めた。
EC観察ではSSL+CDでは SSLを示唆するEC1b(oval lumen)に加えて、腺腫に相当する紡錘形の核およびスリット状や鋸歯状構造を伴う腺腔を認め(12/15, 80%)、SSL+Caでは癌部に一致し不整形・腫大した核の所見を認めた(3/3, 100%)。EC観察がSSL関連腫瘍の診断に有用であることが示唆された。
今後の展望として、遺伝子学的検討や EC自動診断も含めてSSL関連腫瘍の特徴を明らかにしていく。

(小川 悠史)