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臨床研究内容

Bridge formation methodによる大腸ESD

大腸ESDは大腸特有の粘膜ヒダや屈曲及び腸管壁の薄さにより、内視鏡操作性の難しさや穿孔に伴う腹膜炎のリスクがあり依然として高難易度手技である。当センターでは大腸ESDを一定の安定、安全な手技とするべく、病変両サイドの正常粘膜の牽引力を利用する手法を用いており、Bridge formation method(以下BFM)と呼んでいる。
BFMの手技の手順は、1:病変肛門側に局注し病変径より大きい粘膜切開を行う、2:病変両サイドの粘膜切開を行わずに両サイドまで粘膜下層剥離を行い病変径より大きな空間を形成する、3:口側の粘膜切開を行い、tunnelを開通させBrideを形成する、4:両サイドの正常粘膜を粘膜下層側から切開し切除完了となる。
BFM施行群と非施行群の治療成績を比較する。
2009年1月から2019年3月の間、当院でESDが施行された全1697病変を対象とした。BFM群が769例、非BFM群が928例であった。
BFM群で有意差を持って平均腫瘍径が大きく、SM高度浸潤の割合、一括切除率が高く、平均剥離速度が速かった。また合併症率に両群で有意差は認めなかった。
BFMは補助デバイスを使用せずに病変下で安定したスコープ操作が可能となり、適切な剥離深度を保つことが容易となる。
今後は、更に症例を蓄積しBFMがいかなる病変により適しているかの検討を進めていきたいと思う。

(阿部 正洋)